シーリースポーツ(シナジー/リリース/パワーマッスル/スピードマッスル)

──マーケティングの勝利、商品は平常運転

シーリーが近年、力を入れているシリーズである。
特定のアスリートを起用するのではなく、
「アスリートという概念そのもの」をイメージキャラクターにする発想は、
いかにも**シーリー**らしい。

昔からマーケティングセンスには定評のあるブランドだが、
今回もその面目躍如といったところだ。
正直に言って、天晴である。

ただし、
商品そのものが劇的に変わったのか?
と問われれば、話は別だ。

構造を見れば、
ポスチャーテックコイルを基本とし、
その上にさまざまなクッション材を載せる。
良くも悪くも、いつものシーリーの手法である。

この構成は、
クラウンジュエルでも、
チタンコレクションでも、
ホテルスタイルでも、
ディズニーコレクションでも変わらない。

つまり、
看板は違えど、中身の思想は同じ
ということだ。

結果として、
「で、結局どれを選べばいいのか」
が、どうにも見えにくくなる。

もちろん、
好きなシリーズの中から
予算に合うものを選べば済む話ではある。

だが、それは
消費者に判断を委ねているというより、
判断を放棄している
ようにも見えてしまう。

ここまでラインナップを拡げたところで、
果たしてシーリーのブランドイメージは
本当に上がっているのだろうか。

選択肢が増えることと、
ブランドが強くなることは、
必ずしも同義ではない。

マーケティングとしては、
間違いなく成功している。

だが、
商品として、
そしてブランドとしての“輪郭”は、
むしろ少しずつ
ぼやけてきているようにも感じられる。

その点は、
はなはだ疑問である。

作成者: SNOWWIS

長年、日本のベッド・マットレス業界を見てきた立場から、 寝心地や構造について個人の視点で考察しています。 マットレスに「唯一の正解」はない、 体格や睡眠時間、生活環境によって最適解は変わる—— そんな前提のもと、 カタログや宣伝では語られにくい部分を中心に書いています。 特定のメーカーや商品を推奨することを目的としたブログではありません。 読んだ方が、ご自身で考え、選ぶための材料になることを目指しています。