〜厚さに魂を見出せぬ、されど商魂は見ゆ〜

2007年の登場以来、まるで意図的なかのように厚みを増してきたエアウィーヴ。もはやその存在感は、寝具界の重鎮として無視できぬほどだ。だが、筆者にはどうにも腑に落ちぬ。エアウィーヴなる素材、その真価は薄く、くるくると丸められるトッパーとしての軽快さにこそ宿るのではないか?

スプリングマットレスの場合、仰向けなら腰や臀部、横寝なら肩や骨盤の突出部が織りなす身体の凹凸を埋めるため、バネの背丈が必要とされる。だが、エアウィーヴにその柔軟性はない。沈み込まぬ硬質な寝心地こそが、この素材の命だと筆者は睨む。だとすれば、35cmもの分厚さは、まるで装飾過多なスポーツカーの如く、ただの飾りに過ぎぬのではないか?

ブランドの箔がつき、高額品でも売れる時代になったのかもしれぬ。企業としては高価格帯の開拓も必要だろう。だが、こんなものを売り、買い、喜ぶ輩には、失礼ながらこう言いたくなる。「お前、わかってねえな」と。まあ、売る側も買う側も笑顔なら、それも一興か。寝具の世界もまた、商魂と見栄の綱引きなのだから。