最後の第一世代ポケットコイルになるか?
シルキーパフの成功を受けて開発された、
シルキーシリーズの標準タイプである。
かつて“普通”とされていたシルキーレギュラーをベースに、
高比重・高弾性ウレタンを追加。
往年のレギュラーの寝心地を、
現代の身体感覚に合わせてアップデートしたモデルだ。
寝心地の方向性は、
サータのポスチャーベーシック7.7F1Pに近い。
ただし、決定的に違う点がある。
コイルの背が低い。
5〜6インチ級である以上、
守備範囲が狭くなるのは構造上、避けられない。
この一点に関しては、割り切るしかない。
その代わり、マットレス自体は軽い。
取り回しの良さという点では、
サータより明確に有利だ。
現在、シモンズのカタログモデルが
ウレタンによる簡易ゾーニングへ移行したことで、
非ゾーニングの第一世代ポケットコイルは、
事実上、シルキーシリーズのみが残った形になる。
背の低いコイル、非ゾーニング。
この組み合わせでは、
体格差のあるカップルに勧めるのは難しい。
一方で、単身使用であれば話は別だ。
シルキーは全6タイプあり、
その中のどれかが合う可能性は高い。
とくにシフォンであれば、
大きな不満が出るケースは少ないだろう。
ただし、一つだけ明確な注意点がある。
コイルの動きを最大限に生かすため、
縦方向の接着が施されていない。
これは設計思想としては理解できるが、
体型によってはリスクにもなる。
上背が高くない、
しかし筋肉量の多い体型の人が使用すると、
中央部でコイル同士が噛み合い、
最悪の場合、マットレスが中央から裂ける可能性がある。
実物を見たのは一度。
聞いた話を含めると二件。
遭遇率としては決して高くない。
だが、共通点ははっきりしていた。
小柄だが、かなりガッチリした体型の男性である。
マットレスの中央が裂け、
向こう側が見える光景は、
なかなか衝撃的だった。
この体型に該当する人は、
無理に選ばない方がいい。
それは好みの問題ではなく、
構造との相性の問題だ。
第一世代ポケットコイルの完成形として、
ある意味で貴重な存在ではある。
だが同時に、
誰にでも勧められる時代は終わりつつある。
このモデルが
「最後の第一世代」になる可能性は、
決して低くない。