悪くはないが、選ぶ理由もない
従来のポスチャーテックコイルに、微量のチタンを混ぜて耐久性を高めた――
いわゆる「タイタニウムコイル」。
その上にクッション層の組み合わせを変えたモデルが、都合5種類用意されている。
理屈としては分かる。
だが率直に言えば、
同じバネに、違うクッションを載せただけのマットレスを何種類も作ることに、どれほどの意味があるのか、首をかしげたくもなる。
もっとも、連結式・連続式コイルという構造上、
スプリングそのものを自在に変化させるのは難しい。
そう考えれば、クッション層で差を付ける以外に手がない、という事情も理解はできる。
ベースとなるスプリングが共通であれば、話は単純だ。
柔らかい素材を使えば柔らかくなる。
厚くすれば、やはり柔らかくなる。
そこに驚きはない。
クラリスⅢのFirmであれば、
硬めが好みの人のストライクゾーンに、かろうじて触れてくる。
ただし全体の印象としては、やはり柔らかめだ。
一方で、評価すべき点もある。
ポスチャーテックコイルと違い、コイルが交互配列されているため、
垂直荷重が斜めに逃げない。
この点は素直で、好感が持てる。
だからと言って、
「これでなければならない」理由があるかと問われると、答えに詰まる。
決して悪いマットレスではない。
だが、積極的に選びたくなる決定打にも欠ける。
強いて挙げるなら、
選択肢はクラリス一択で十分だろう。
それ以上を求める理由は、あまり見当たらない。