〜さすがのロングセラー〜
現在の日本ベッドを支えるパフ、シフォンのベースになったシルキーポケットもサータポスチャーノーマルに並ぶロングセラーである。
側生地の変更は何度かあったが、基本的な構造は変わらぬまま既に20年以上作られている。
一部にウールを抜いただけで基本的構造が同じ、いわゆる”量販店オリジナルモデル”が存在するのだけがポスチャーノーマルとの違いであり、その点は残念なのだが、弄れるところが少ないスペックなので仕方があるまい。
かつて「普通」と評されたレギュラーは令和の今では「硬い」と感じる方が多く、代わりにソフトが「普通」となり、ハードに至っては硬すぎてほとんど誰も買わなくなっている。
繰り返しになるが、ソフトという名前でも硬さは普通なので、男性であってもソフトを選んでしまって全く問題ない。
ポケットコイルマットレスの寝心地を良くする方法その2「コイルの直径を小さくする」を真面目にやっているので、ごく薄いクッション層だけで充分良好な寝心地を得られる。
クッション層の数を増やしてヘタリにくくする昨今のトレンドに逆行する考え方ではあるが、唯一のウレタン層を大事に使えれば、寝心地は長持ちする。
その為に必要なのは、性能の高いベッドパッドと定期的なローテーション。
ポリエステルではなく、ウール素材のベッドパッドを使う事で、身体から出る水分をマットレス本体に伝えないようにする。これは初期投資が少し増えるだけなので誰でも出来るのだが、問題はローテーションの方。
3ヶ月に一度の頻度で頭と足、表裏を入れ替える、という、簡単な作業をほとんど誰もしっかりと実行できていない、というのが筆者の実感である。これをサボっても比較的へたり難いのは積層数の多いマットレスなのだが、ウレタンが薄いシルキーシリーズはここの管理がシビアなのだ。
これら2つの注意点だけ気をつければ非常に良いマットレスである。