日本のベッドが軟らかくなった証左として、シルキーシリーズ以上の存在はないであろう。
かつてシルキーポケットマットレスのベーシックグレードといえば、レギュラー、ハード、ソフトの基本3種のみだったが、時代の流れと共に“普通“であった筈のレギュラーが「硬い」と評されるようになり、自動的にソフトが「普通」となりつつあった。その状況に対応するべく開発されたのが、シルキーソフトよりも軟らかいシルキーパフである。
このパフが好評を得て、シルキーレギュラーをベースにしたシルキーシフォン、シルキーハードをベースにしたシルキーフォルテまでがラインナップされ、現在ではシルキーレギュラー、ハード、ソフトの列と、シルキーシフォン、シルキーフォルテ、シルキーパフの列からなる、2ライン体制となっている。
さて、現在の日本ベッドを支える屋台骨となったシルキーパフだが、シルキーソフトをベースにエステル綿とノアフォームなるウレタンを搭載する事でかなりソフトな寝心地を実現している。
率直に言って、これほどの軟らかさが必要となるのはかなり小柄か、もしくは腰のカーブか深い女性のみで、男女問わずほとんどの方にとっては軟らかすぎるゾーンに位置するのだが、寝心地を第一印象の「あーきもちいいー」に全力で振り切っている為、届いてしばらく寝てみてから、「ん…少し軟らかすぎたか…」となる方(特に男性)があとを絶たない。
反面、旧来の硬いマットレスでは仰向けで寝られず、必ず横向きになってしまうような女性にとっては福音となるマットレスである。
体格差の大きいカップルがこのシルキーパフを選択してしまうと、男性側の寝心地がスポイルされてしまう為、その場合はシルキーシフォンを選ぶべきだが、女性側がシフォンでさえ硬く感じてしまう可能性がある。
これはシルキーポケットの“コイルの背が低い為、守備レンジが狭い“という弱点が出てしまっている状況なので、この場合は候補から外さざるを得ないだろう。

背の低さを補う手法としては、腰部臀部の載るセンターを強化したセンターハードゾーニングの第二世代に進化する、という手もある。

そうなれば、体格差のあるカップルにもオススメできる1枚になるのだが…