〜シモンズを現在の地位に押し上げた影の立役者〜
「ホテルのベッド」と言えばシモンズ…と言われるようになったのは実はこの20年の話なのだが、その端緒となったのがウェスティンホテルが販売するヘブンリーベッドである。
1999年に6.5インチ/1.9mm線径+ピロートップという構成で発売された初代から進化して、三代目となった現在では7.5インチ/1.7mm+ピロートップ、8.25インチ/1.7mmの2モデル体制となっている。
※ルスツのウェスティンだけは何故かフランスベッド製が採用されていたが、市販化されていない。
初代のピロートップは薄く、現在のゴールデンバリューピロートップとは全く異なる硬めの寝心地だったのだが、新型の2モデルともスペック上はかなり軟らかい仕様となっている。
両モデルともカタログモデルには無い絶妙なポジションに位置しており、ここでもシモンズMDの巧みさが垣間見える。カタログモデルには7.5インチ+ピロートップと8.25インチタイトトップは存在しないのだ。
かなりクッション層が厚い構成で、裏面は使用できない。これはアメリカで主流となっているスタイルで、シーリーと同じ考え方。(サータは裏面は裏面で異なる寝心地で使える)
アメリカ本国の場合、実はシモンズが先陣を切ってノンフリップの片面仕様を導入し、他社が追随しているのだが、これはクッション層を厚くし過ぎて重たくなってしまい、誰も裏面を使わなくなった事がきっかけで生まれた、という話は日本ではあまり知られていない。
ひとつ残念なのは、日本シモンズ謹製であるが故、ボトムがボンネルコイルである点。以前のエントリーでも書いたが、ポンネルコイルの上にポケットコイルを載せるなんてのは愚か者がやる事であって、メーカーが率先してやる必要など全く無い。
こういう所でも徹底して手を抜かず、日本の消費者を勘違いさせたままでいさせようとする姿勢は営利企業としては正しいのかもしれないが、あまり褒められた事ではないように思う。